ジョブシステムに関連して、FF3にはジョブごとに熟練度(ジョブのレベル)がある。
熟練度は、戦闘で行動することによって(内部)ポイントが溜まっていき、一定数になると熟練度が1上がる。ポイントは敵の強さには影響しない。
さらに、DS版では「手熟練度」なる隠しパラメータがある。
手熟練度については大手の攻略サイトなどに詳しい説明があるが、左右の手が別扱いで、攻撃した回数に応じてポイントが溜まっていき、熟練度同様に手熟練度が上がっていくもの。
戦士系ジョブの攻撃回数に影響し、ジョブ別ではなくてキャラ共通の要素になる。
なんでそんな隠し要素を作ったのかは不明だが・・・
熟練度についてだが、FC版では後で手に入るジョブほど強かったため、熟練度は気にせずに新しいジョブを使えたし、最後は忍者か賢者のお決まりだった。
しかし、DS版においてはジョブ別の優劣は差は減り、序盤で手に入るジョブも最終戦に使えるようになった。ただ、ジョブ間の優劣差が減ったことによって、熟練度の差がジョブの強さに影響してしまうようになった。
「お気に入りのジョブを使える」というのがDS版ジョブシステム。ジョブ間の能力差が縮まった一方で、本領を発揮するのに熟練度が影響する。つまり、ジョブをできるだけ長く使い育てたほうが後半は強くなるようになった。
手熟練度においても、通常攻撃を多くこなす前衛系ジョブは前衛系ジョブとして使い続けた方が効率的。
熟練度ポイントは敵の強さに依存しないので、序盤から手に入るジョブほど有利で、ゲーム後半に手に入るジョブはそこから熟練度を上げなければならない。
もちろん、ジョブ間の差が減ったとは言え、それでも皆横一線というわけではないので、後半に手に入るジョブでも有用なジョブもある。
こうしたことで、一見自由度が高いようなジョブシステムだが、効率的なプレイを考えると、ジョブ移行に関してはFC版以上に縛りがでる。
FC版のジョブの楽しみ方は、ストーリー道中でそのつど有用なジョブを考え、好みのパーティーを編成して攻略していくことであるが、DS版はいつどこでどのジョブを使おうがあまり変わらない、また、熟練度の仕様を考えると、あらかじめ攻略の計画を立てることにあると思う。
攻略の計画を立てるというのは、最終パーティーの編成をある程度意識して序盤、中盤のジョブを決めること。
FF12のインタ版がそんな感じだった。といっても、FF12インタは最初のジョブを決めたら後戻りできない。途中のジョブチェンジも無く、同じジョブを最後まで続けることになるため、最初の編成でプレイヤーはものすご~く悩みながら、うまくバランスを考えて決めることになる。
まぁ、この時間が一番楽しいわけだが・・・
所謂、最強のパーティーの組み合わせというものは無く、それぞれ一長一短、自分だけの好みのパーティーを作る。これはプレイヤーの想像力を掻き立て、自分のパーティーに愛着が湧く、非常に満足感を与えるシステムだったと思う。
ジョブ(職業)システムやスキルシステムでありがちなのは、全員全ジョブ、全スキルマスター、最後はみんな同じジョブで同じスキルの最強パーティーといった無個性なパーティーの出来上がり。
それを達成すると、もう満足、二度とやりたくないわと思ってしまう。
こうしたシステムはもはや時代遅れ。最強など存在しない、自分でベストを考える編成の方が絶対に楽しい。
全マスターのやり込みよりも、また違うパーティーでもう1回プレイしたくなるようなゲームの方が良い作品なのではないだろうか。
FF3DSにおいてはジョブチェンジはフィールド画面でいつでも自由に変更でき、ガルーダ戦の竜騎士のようにあるポイントで特定のジョブが有利なのも健在。
新しく強い武器防具が手に入ったジョブはその時点では熟練度を上げてきたジョブよりも強かったりするので、FC版のようなジョブをころころ変えながら攻略していく楽しみ方も可能。
同じジョブを使い続けた方が無駄なレベル上げが必要ないというだけであるので、ゴブリン相手に数時間熟練度を上げまくって、最終的に全く新しいパーティーでラスボスに挑んでも全く問題ない。
まぁどんなプレイでもOKなわけで、万人が満足できるようなものになっているといえる。